■路傍の自販機
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こんな夢を見た。
高校生のカップルが繁華街にいる。
二人はまだコトを致していないが、互いにそろそろ時期だと考えており、ラブホに入りたいと思っている。
二人は互いが制服姿であることに気がつき、繁華街の安い洋服店で買った私服に着替える。
準備は整ったが、最後の一歩を踏み出せず、二人は繁華街を行ったり来たりする。
私はそんな二人が、生徒指導の教師に見つかりはしないかとひやひやしている。
と、その時、なぜかそれとわかる、教師の携帯電話の着信音が道に響き、やがて私に朝を告げるアラーム音に変わっていった。
私はモテぬ。路端の自販機よりモテぬ。清い清い高校生時分には、夢に見た体験など起こりようも無かった。
あの二人は先生に見つかったのかしらん。それとも見つからずに、遂に思いを成就させたのかしらん。
起床後もいたずらにときめく胸を押さえながら、私は今日も会社へと向かうのであった。(完)
寝なおさないところがさっぱりしていていいですね。